【書痙(字が書けない)の治療例】(50代男性)教師
当オフィスでは現在だけで、書痙で悩んでいる方が6名ほど定期的に来院され治療を行っています。
これまで書痙の治療を行ってきて、書痙の症状にはいくつかのパターンがあることがわかってきました。
1.人前で書く時だけ症状がでる。
2.人前でも、自分一人の時でも症状がでる。
3.人前でも、自分一人の時でも症状がでて、ペンを持たなくても指や手首が緊張を起こし力が入る。
というようなパターンに分かれます。
これまでの治療の経験上、1より2、2より3の方が症状の改善までに時間がかかる傾向にあります。
「治りますか?」
「どれくらいで治りますか?」
というお問い合わせをメールや電話でよく頂くことがありますが、症状の背景に隠れている原因や、症状の学習の深さは人によって個人差がありますので、必ず何回で治るということを判断することは難しいところです。
直接診て検査をしてみないと何が問題になっているかはわかりませんので、そこが患者さんが一番気になる所ではあると思いますが答えが難しい部分でもあります。
早い方では5~6回の治療で書けるようになる方もいますし、少しずつの変化で20回以上かかる方もいらっしゃいます。
多くの場合は治療を継続していく中で段階的に書けるようになっていくという、改善の傾向がみられます。
やはりその人によって、症状が起きている過程が違いますので、原因になっている問題の深さや脳の学習記憶の深さによって改善までの時間にも個人差が生まれてきます。
現在治療中の患者さんも改善のペースには個人差がありますが、みなさん治療前との比較では明らかに変化がみられています。
50代男性(教師)
今回の治療例の患者さんは、50代の男性で、学校の先生をなさっています。
症状は、5年前に受けた試験の前後から発症しました。
そしてその3年後に受けた試験時にさらに症状がひどくなったとのことでした。
今は字を書こうとすると右手に力が入りすぎて震えが出て思うように動かない。
人前でも、自分一人の時でも症状がでる。
という状態でした。
普段書くときは左手で右手の震えを抑えながら書いています。
初回の来院時に数字を書いていただいたのがこちらです。
手が震えてしまうので、線が波打つようになってしまい、真っ直ぐに引けません。
名前も書いていただきましたが、漢字になると直線が多いので余計に線が真っ直ぐ書けない状態でした。
原因
原因は色々なことが言われていますが、
私たちの体の動きは、脳からの命令が筋肉に伝わることで頭の中で計画した運動が実際に行えるようになっています。
歩いたり、字を書いたり、ご飯を食べたり。
日常生活の中の動作は繰り返す事によって、脳の中にその動作の運動プログラムが学習記憶されます。
学習が定着すると、意識をしなくても字を書こうと思っただけで脳からの命令が筋肉に送られ、書き方を意識しなくても自動操縦のように体が動いてくれます。
書痙は、脳の神経ネットワークに誤作動が起こり、「書く」という運動プログラムが正しく筋肉に伝わらないことで起こります。
その誤作動に影響しているのが、
・肉体的ストレス
・心理的ストレス
などの問題です。
そうしたストレスによって脳が誤作動を起こし、症状につながる誤った神経伝達のプログラムを学習して症状が続くようになります。
治療
当オフィスではそれらの誤作動を
アクティベータメソッド
心身条件反射療法(PCRT)
というテクニックで調整し、脳に新たな神経回路を再学習させることで症状の改善を行っていきます。
アクティベータメソッドの詳しい説明はこちらからどうぞ。
↓↓↓
アクティベータ・メソッド
心身条件反射療法(PCRT)の詳しい説明はこちらからどうぞ。
↓↓↓
心身条件反射療法(ニューロパターンセラピー)
初回の治療
初回時に実際に書いていただくと、指に力が入るだけでなく、肩から指まで右腕全体に過剰な緊張が起こり震えが出ていることがわかりました。
そこで、アクティベータメソッドで神経の働きのバランスを整え、さらにPCRTで右腕の筋肉の過剰な緊張に影響している脳の誤作動を検査していきました。
すると、筋肉の緊張を抑制させる神経の働きが誤作動を起こしていることがわかったので、その働きを正しい状態に戻すよう調整しました。
書痙やジストニアの多くの場合、この筋肉の緊張を抑制させる神経の働きが誤作動を起こし、運動をコントロールできなくなっていることがあります。
2~3回目の治療
前回の治療後に家で字を書いてみたところ、家だと多少書きやすくなって、外だと書きにくいという変化がありました。
初回と同様にアクティベータメソッドとPCRTで検査・治療を行っていくと、肉体的なストレスだけでなく、心理的なストレスも誤作動に影響していることがわかりました。
仕事に対する「義務感」や「逃避」という感情が筋肉の緊張を抑制させる為の神経の働きに影響していましたので、それを影響しないよう調整しました。
さらに、症状に対する脳の学習記憶もあったので、そこも症状のない神経プログラムに学習記憶を切り替えました。
私たちの脳は学習する能力がとても高くできています。
そのため、症状が長かったり、強烈な症状が続いていたりすると、その症状自体を学習してしまい、良くなってもぶり返したり、特定の状況で症状が戻ったり、なかなか変化が見られないことがあります。
症状に関して繰り返し複数の情報を学習していると、条件反射的に症状が出るような神経回路ができてしまいます。
梅干を見ると食べてもいないのに唾液が出るのと同じ事です。
梅干→酸っぱい→唾液が出る
という経験を繰り返し、その情報を脳が学習すると、食べなくても見たり想像しただけで唾液が出るという体の反応が起こるようになります。
同じように症状を繰り返していると脳がその情報を学習記憶し、条件反射的に症状が出るようになってしまうので、その学習を正しい神経回路に切り替えることが大切です。
4~9回目の治療
家では普通に書けるようになってきました。
しかし、職場だと震えが出て書けなくなります。
これが条件反射的に起こる症状で、職場で誤作動が起こる原因が隠れているので、それをPCRT検査し調整していきます。
その場合の多くで、感情が誤作動に影響しています。
検査を進めていくと、
「正確に書かなければいけない」
「焦り」
「震えを見られると恥ずかしい」
「意欲」
「不安」
主にこれらの感情や感じ方が脳の誤作動に影響していました。
その他にも多くの事が影響していましたので、それらを影響しないように調整をしました。
治療後に患者さんが書いた文字をメールで送ってくださいました。
以前と比べると、かなりスムーズに手が動いて字も安定して書けるようになりました。
治療について
書痙の症状の発症や、症状の程度や感覚は人それぞれ違いますので、まずは今の自分の体の中でどんな事が起きているのかということをご自身が知ることが大切です。
何が起きているのかわからない、原因がわからないといった不安は、私たちの脳に強い緊張を与えとてもストレスになります。
まずは、今何が起きているのかを知って、それが起きた原因を見つけ出し、誤作動を起こしている神経回路の学習記憶を書き換えるという事がとても重要です。
人によって改善までの経過は個人差がありますが、今回の患者さんのように治療に前向きに根気強く取り組むことで変化が見られることは多くあります。
必ず治ります、とお約束できるわけではありませんが、多くの方が書痙の治療に来院され変化を感じていることからもわかるように、こうした治療もあなたの選択肢の一つとして加えてみるとこれからの生活に希望が持てるようになるかもしれません。
その他の書痙の治療はこちらからどうぞ
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書痙のような症状はまだまだ世間での認知度が低く「気持ちの問題」「ただの疲れ」「気合が足りない」といった思われ方や、なかには仮病のように嘘をついているかのような思われ方をすることもあります。
しかし、効果的な治療法やその治療を受けられる場所が少ないのが現実です。
そういった事から、人にはあまり相談できずに、一人で悩みを抱えて症状と闘いながら辛い思いをしている方が多くいらっしゃいます。
あなたも同じように悩んでいませんか?
書痙は脳と神経の働きに誤作動が起きている事が問題ですので、それを気持ちや、気合でどうにかしようとしても心と身体がバラバラになり、ますます悪循環になってしまうだけで改善は遠くなってしまいます。
当オフィスではその脳・神経系の誤作動を正しい働きに切り替えるお手伝いをしています。
字が下手なのは練習すれば上手になるのと同じで、書痙も個人差はありますが適切な治療を行えば変化の現れる症状です。
このページをご覧になった一人でも多くの方が、今の悩みから解放され快適な生活が送れることを願っています。
そのために、こんな治療法もあるということを知っていただくきっかけになればと思い、当オフィスでの症例を報告させていただいていますので、何か気になる事や質問などありましたらお気軽にご相談ください。
あなたがまた再び毎日を楽しく過ごせるようなお手伝いができたら幸いです。
カイロプラクティックオフィスアイダ
会田成臣
アクセスマップ
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