「 “やる気スイッチ”は大脳の一部位にあった」

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行動や運動における“やる気”は、予測される報酬の量に影響されるという。
その予測に、大脳基底核の「腹側淡蒼球(たんそうきゅう)」という部位の神経細胞が関わっていることが、自然科学研究機構・生理学研究所の橘吉寿助教と米国NIH(国立衛生研究所)の彦坂興秀博士らのサルを使った研究で分かった。

哺乳類の大脳基底核は運動調節や認知機能、感情、学習、動機づけといった、さまざまな機能に関わっているといわれる。研究チームは、情動と運動を結びつける神経回路を持つとされる腹側淡蒼球に注目した。

アカゲザルに、特定の合図のあと、モニター画面の図形が動く方向に目を動かすように覚えさせ、うまくできたらジュース(報酬)をもらえるようにトレーニングした。そのときの腹側淡蒼球の神経活動を記録し分析したところ、腹側淡蒼球における神経細胞の多くが、合図を受けてジュースをもらえるまで、神経活動が持続することを発見した。

図形の位置によって、もらえるジュースの量を変えると、ジュースの量が多いほど、目を動かすスピード(運動)は速く、腹側淡蒼球の神経活動も大きくなった。薬物によって一時的に腹側淡蒼球の働きを抑えてやると、目のスピードはジュースの量に影響を受けなくなったという。

これらの結果から、腹側淡蒼球が、“報酬”を予測し“やる気”を制御する脳部位の一つであることが分かった。教育やリハビリテーションなどでは、“やる気”が学習意欲やその習熟度を高めるといわれる。橘助教は「今回の研究により、“報酬”に基づく学習プロセスの理解が進むことが期待される」と話している。

研究論文は21日、米国神経科学誌「NEURON」オンライン版に掲載された。

2012年11月26日 サイエンスポータルより

やる気スイッチを探すCMがありましたが、脳の中にあったみたいです。

「腹側淡蒼球」聞きなれない言葉ですが、私たちの運動調節、認知機能、感情、動機づけや学習などに影響している大脳基底核の一部ですね。

そこが報酬を予測してそれによって神経の働きが良くなるみたいです。

報酬というと、形のある物とか目に見える物をイメージしがちですが、大事なのは物ではなくて、それを手に入れた時の感情ですかね。

目的を達成したときに得られる感情によって、それがやる気スイッチを動かしていると考えても良さそうです。

形ある物はいずれ無くなりますが、体験や経験によって得られた感情は記憶として脳に学習されますから、それを思い出しただけでスイッチが入る事もありそうです。

その学習された感情をうまく刺激してあげることで神経の働きが活発になって行動に繋がりますから、それをうまく利用してスポーツや仕事、勉強などの動機付けや、やる気の向上ができるといいですね。

なので自分だけでなく、人のやる気スイッチを押す手伝いもしてあげられそうです。

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