「ヒトの温度感覚。視覚からの情報影響」
視覚からの情報がヒトの温度感覚にも影響するとの実験結果を、東京大の横澤一彦教授(56)=心理学=のグループが、7日付の米科学誌「プロスワン」のオンライン版に掲載した。
実験は21〜23歳の男女計20人に実施。被験者の目の前に置いた作り物の手と、被験者の手に同じ刺激を10分間与えて、作り物を自分の手と錯覚させた。そのうえで、作り物の上に室温のプラスチックを置いて取り除いた後、今度は氷を置き、温度の変化をどう感じたかを調査した。
本物の手には温度変化がなかったにもかかわらず、20人中15人が「自分の手が冷たく感じた」と回答した。
さらに、氷の後にプラスチックを置くと、18人が「温度が上がった」と答えた。
横澤教授は「これまでは、視覚は皮膚の温度感覚に影響を与えないと考えられてきたが、視覚情報は処理が早く正確で、あいまいな皮膚の温度感覚を補っているようだ」と説明した。
2012年11月08日 毎日JPより
ゴムでできた作り物の手を自分の手と脳に錯覚させ、その作り物の手の上に氷を置くのと同時に、自分の手に室温の氷の形をしたプラスチックを置かれると自分の手は「冷たい」と感じる。
ということです。
実際には冷たくないはずなのに、冷たく感じてしまうわけですからおかしな話ですよね。
しかも氷をどかすと温度が上がったようにも感じます。
脳が錯覚を起こして情報の伝達に誤作動が起こると、こんな不思議なことが起きます。
視覚からの情報はそれだけ頼りになりますし、視覚から得た情報は学習が強いということです。
温度覚だけでなく、味覚なんかもわかりやすいですね。
私たちは過去の経験や学習から、食べる前に無意識的にある程度の味を予測しています。
見た目が甘そうなら脳は甘い物として情報を処理しようと、口の中に甘いものが入ってくる準備をしますし、酸っぱい物なら酸っぱい準備をしています。
しかし、梅干しの形をした砂糖を食べると予想と違うため脳の情報が混乱して味を感じるのが通常より遅くなったり、味覚がよくわからなくなったりするのを経験したことがある人もいるはずです。
脳は学習や経験により簡単に錯覚を起こして、それを身体に伝える神経の情報に誤作動を起こさせるということです。
これは痛みにも同じことがいえます。
脳が痛みや症状を学習していると、神経の情報に誤作動が起こり実際に痛みや症状がでます。
痛みや症状は構造的に身体だけを治せばいいわけでなく、脳と神経の誤った学習による誤作動を元に戻さなければいけないというわけです。
しかし人間には心や感情があるので、その誤った学習には心や感情が強く影響している場合があります。
ストレスを受けると症状が出るというものです。
カイロプラクティックオフィスアイダでは、その心や感情が影響している脳と神経の誤作動を元に戻すお手伝いをしています。
あなたの脳は正常に働いていますか?
一度検査して自分の脳や神経の状態を知っておくことは大事ですよ!