「1歳6ヶ月の患者さん・・・2」
前回の続き・・・
今回の検査は、まだ言葉も話せない子どもなので、ご両親に協力していただき代理検査という方法で行いました。
お父さんに子どもを抱いてもらい、その状態でお父さんの身体を通じて子どもの生体反応を検査し異常個所を見つけてきます。
検査の結果、左膝部内側・骨盤・L4・T8・C1、において神経機能の異常反応が見られました。
ここをアクティベータによる振動刺激にて矯正し反応を切り替えていきます。
矯正と聞くと「ボキッ」という矯正音がするような刺激の強いアジャストメントをイメージする方もいらっしゃいますが、アクティベータの振動刺激は骨を動かすというイメージではなく、身体の各所に存在する受容器を刺激し神経の機能異常を矯正することを目的としてます。
このため非常に弱い力で矯正することができるので危険性がなく、幼児やお年寄りまで幅広い年齢に安全で的確な治療することができます。
治療後、反応のあった場所を神経反射にて再検査しましたが反応がとれていたのでハード面の治療は終了となります。
続いて事故を受けたときのショックや、それに関係するストレスが身体に影響していないかをPCRTで検査していきます。
しかし、ここで子どもがぐずってしまったので、代理検査をお母さんに変え検査していく事にしました。
検査をしていくと、聴覚からの情報で身体の緊張反応がみられます。
さらに詳細を検査していくと、事故の時の衝突音とその時のお母さんの声に反応を示します。
突然の出来事でびっくりして泣いていたようですが、無意識的にも身体が緊張していることがわかりました。
これを身体に影響が出ないようPCRTで治療していきます。
他にもまだ緊張反応が残っていたので検査していくと、動作というカテゴリーで反応が出ます。
事故の時に子どもがしていた動作・・・??
私にはピンとこなかったので、お母さんにその時の子どもの動作を思い出してもらうと、車から出た時にお母さんにしがみつくという動作で反応していることがわかりました。
この反応を切り替えて、確認のため再検査を行います。
しかし、しがみつく動作でまだ緊張反応があります。
さらに検査を進めると、この動作には潜在的な感情ストレスが関係していることがわかりました。
「嫉妬」というキーワードで反応が出ます。
「嫉妬」・・・なんでしょうか??私には見当がつかなかったので。
「お母さんにしがみついている動作と嫉妬という感情が繋がっているようなのですが、なにか心当たりはありますか?」と聞きました。
すると。
「車から降りた時に、事故の相手が心配でその人に声をかけていたのでそれですかね?」
とのこと。
そのイメージで検査をすると緊張反応が出たので、これを子どもの身体に影響が出ないように治療していきました。
思いもよらない突然の出来事で精神的に不安定な状態になり、自分の事に関心をもってほしいという時に、親の意識が違うことに向けられたため子どもながらにその事に対する「嫉妬」という感情が高まり、自律神経にも影響を与え身体の緊張反応が出たと考えます。
子どもは親の意識や行動にとても敏感です。言葉は伝わらなくとも、そこから様々な情報をキャッチし常に影響を受けているのです。
それによるストレスが身体に影響を与え、自律神経系の症状に繋がっていることも少なくありません。
今回のようにまだ言葉が話せなくても、生体反応を通じた神経の反射を検査することで、外見的には見つからない異常な状態を見つけることができます。
そして、それは交通事故のように物理的に身体が受けたダメージの他にも、その時に受けた無意識の潜在的な感情ストレスにも同じことが言えます。
それら、身体に影響を与える原因をいち早く見つけ治療することが、症状の予防や早期の回復に繋がることは臨床上確かなことです。
今回は子どものご両親がそういった問題に理解があり、単に骨が歪んでいるというような構造的な問題ではなく、神経的な機能異常といった有機的な問題に目を向けられていた為、来院していただけたと思います。
そして外見的な目に見える症状だけではなく、神経機能の異常が改善され身体の緊張反応が切り替わることが症状の回復が繋がっている、という事に治療の価値を見出して下さったことに感謝しています。
ちなみにレントゲンが撮れなったお母さんの背部痛も改善し、安心していただけました。
これから先が楽しみなまだ小さなお子さんですから、今後の経過にも注意してこれからも診させていただきたいと思います。
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