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「中学1年生(サッカー)のオスグッド・膝の痛み」-(2)

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前回のブログ。
「中学1年生(サッカー)のオスグッド・膝の痛み」-(1)の続き・・・

今回の場合は膝関節と股関節に関係する筋肉の働きに異常があったので、それらのバランスを整えていくためにまずアクティベータメソッドで筋肉の緊張に影響している神経系の誤作動を調整していきました。

初回の検査では立位での膝の屈曲で内側部とオスグッド患部に痛みがあり、ベッドに寝て体重のかからない状態での屈曲動作でも痛みがありました。

股関節の可動域も筋肉の緊張により動きが悪くなっている状態。

その後3回目の治療で体重をかけない状態での膝の屈曲時の痛みが消失。

4回目の治療時に「ボールを蹴る時に痛みが出る」ということだったので、PCRT(ニューロパターンセラピー)にて特定の場面に対して身体が緊張する原因を検査していくと。

その場面での「不安」という感情が身体の緊張に影響していて、強いボールが蹴れないとみんなとの差がついてしまうという心理的なストレスが背景に隠れていました。

それに加え、今までのフォームで蹴れなくなってしまったということも影響していました。

今まで軸足(痛い側の足)が痛かったためボールを蹴る時に痛みを回避するよう、軸足を曲げないで体重がかからないようキックしていたので、「ここまで曲げると痛みが出る」という無意識的な学習が身体を緊張させていました。

それらのストレスと脳の学習をPCRTにて身体に影響しないよう切り替え。

その後の治療では、蹴った時に無意識に出る「イテッ・・・」という自分自身の心の声に身体が緊張反応を示していて、別メニューの練習をしていることに対しての感情も影響していたのでこれもPCRTにて施術。

これらは通常の検査では目には見えないので本人も自覚しにくいですが、スポーツ障害に関わらず、肩こりや腰痛、といった慢性的な症状からめまい、耳鳴りといった自律神経系の症状の原因にも身体の問題だけでなく、心理的なストレスや脳の学習記憶が影響している場合が多くあります。

先週で6回目の治療でしたが、日常生活では痛みを感じなくなり検査上もだいぶ回復が見られ、練習中でも痛みを感じる場面が少なくなり来院時の痛みが10割→2,3割とだいぶ軽減されていました。

すると週末に試合があるので出たいとのこと。

本当ならもう少し回復してからと思いましたが、なぜその試合に出たいのか聞くと、小学校のころのチームメートとの対戦でそれをとても楽しみにしていた様子。

自分も経験がありますが、学生スポーツは時間が限られています。

出場をストップさせることもできましたが、今回は客観的な検査や自覚症状の程度、3月は他に大事な試合がないことも考慮して、今回は出場して動きや痛みの感じをテストしてもらうことにしました。

治療の本当の目的は痛みを取って終わりではなく、その先にあると考えます。

症状だけを考えればもしかしたら出ない方がいい場合もあるかもしれません、しかし痛みがなくなっても試合に出られないのなら治療の意味はないですし、なによりそれは本人の意思ではありません。

患者さんにはゴールまでの道案内やアドバイスはできますが、どの道を選ぶのか、進むのか止まるのか、それを選択するのは患者さん自身で、患者さんが選択し本当に望んでいることをサポートすることが私たちの役目だと考えます。

月曜日にまた来院しますが、どんな顔で来るか楽しみです!

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